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EPC

 EPC(European Patent Convention:ヨーロッパ特許条約)とは、特許に関する手続きを簡便かつ経済的にすべく、出願から特許付与までの手続きをEPO(European Patent Office:欧州特許庁)で一括して行うことを目的とする条約です。

 出願人は、単一の手続き及び単一の審査によって、複数の締約国における特許を取得することができます。但し、特許権の効力及び有効性は締約国ごとに争われることになります。

 EPCに基づく出願から特許付与までの手続きの流れは、以下のフローチャートに示す通りです。



・特許出願
 欧州特許庁への出願は、直接行うこともできますし、PCT出願の国内移行手続きもできます。
 尚、日本と異なり、自らの行為によって新規性を喪失させた場合、新規性喪失の例外の適用を受けることができません。

・サーチレポート
 出願美の確定したヨーロッパ特許出願は、調査部においてヨーロッパサーチに付されます。ヨーロッパサーチレポートは、関連する先行技術を発見するためのもので、出願人および審査部の負担を軽減するものです。
 尚、PCT出願の国内移行手続きによる出願の場合、PCTにおける国際調査報告および国際公開が、それぞれヨーロッパサーチレポートおよびその公開にとってかわりますが、国際予備審査の請求の有無を問わず、追加のヨーロッパサーチレポートが全ての出願について作成されます。
 発見されたドキュメントは、以下に分類されます。
 X:それ単独で非常に関連性があるもの
 Y:他の引用例との組み合わせで特に関連性があるもの
 E:先願であって出願日または出願日後に公開されたもの
 A:技術的背景としてのみ関連するもの

・出願公開
 出願日または優先日から18か月以内に、ヨーロッパサーチレポートと共に公開されます。
 サーチレポートを受け取ってから公開のための技術的準備が完了する前にクレームが補正された場合は、その補正されたクレームも補正前のクレームとともに公開されます。

・審査請求
 審査請求は、サーチレポートの公開後6か月以内に審査フィーの支払いと共に行う必要があります。
 日本と異なり、審査請求は出願人のみができます。

・実体審査
 審査は原則として欧州特許庁のその技術分野を管轄する審査部が行い、3人の審査官のうち主任審査官が主として審査を行います。審査官は、サーチレポートにおける調査官の見解には拘束されません。
 尚、日本と異なり、当該出願の優先日より前に出願され、かつ優先日後に公開された自らの出願によって拒絶される場合があります。

・拒絶理由通知
 審査官は、出願が特許されるべきでないと考えるときは拒絶理由通知(オフィスアクション:Office Action)を通知します。

・補正書・意見書
 出願人は、拒絶理由通知に対して補正書、意見書を提出することができます。

・拒絶査定
 拒絶理由が解消できなければ、拒絶査定がなされます。出願人は、拒絶査定に対して抗告審判を請求することができます。

・特許付与の予告通知
 拒絶理由が解消できれば、特許付与の予告通知がなされる場合があります。これは、審査官がクレーム等を修正した場合に出願人に通知するためです。

・修正内容の承認
 出願人は、特許付与の予告通知において通知された修正内容を承認するかどうか返答します。

・特許付与の通知
 出願人が修正内容を承認すると、特許付与の通知がなされます。

・クレーム翻訳文の提出と料金納付
 特許付与通知の受領日から3か月以内に、出願言語以外の2つのEPO公用語へのクレームの翻訳文の提出(英語で出願している場合、ドイツ語及びフランス語)、および所定の料金の納付が必要となります。

・特許付与の公告
 クレーム翻訳文の提出と料金納付を行うと、特許を付与すべき旨の決定が発行され、特許付与の公告がなされます。

・付与手続
 特許付与の公告の日から3か月以内に、その国の公用語への明細書等全文の翻訳文を、その国の特許庁に提出する必要があります。ただし、出願言語がその国の公用語と一致している場合、翻訳文の提出は不要です。また、ロンドンアグリーメントの加盟国においても、翻訳文の提出は不要または軽減されます。

※ロンドンアグリーメントとは、各国の公用語への明細書等全文の翻訳義務の軽減を目的とした協定です。
 イギリス、フランス、ドイツ、スイス、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、モナコに対しては、明細書の翻訳が不要となります。
 オランダ、スロベニア、デンマーク、スウェーデン、アイスランド、ラトビア、クロアチアは、クレームのみの翻訳に軽減されます。
 一方、ロンドンアグリーメントの未加盟国であるオーストリア、ベルギー、アイルランドは、以前として明細書の翻訳が必要です。



外国に出願するには


外国出願すべきか


出願から登録までの流れ


パリ条約


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