外国出願

(2) 外国出願の条約

1. パリ条約

 パリ条約とは、特許、実用新案、意匠、商標、サービス・マーク、商号、原産地表示又は原産地名称及び不正競争の防止を保護対象とし、これらの国際的な保護を図るために定められた条約です。パリ条約の加盟国などは、パリ条約を利用して外国出願することができます(パリルート)。

(1) パリルートで出願できる国

パリ条約の加盟国(2009年6月現在 171カ国)と世界貿易機関(WTO)の加盟国(2007年12月現在 151カ国・地域)です。例えば、台湾、タイ、アルゼンチンなどのPCT非加盟国を含めた複数の国に出願する場合、PCTルートによる出願と同時に、パリルートでPCT非加盟国に出願することが一般的です。
参考:WTO加盟国一覧表(外務省HP)

(2) パリルートによる出願の流れ

パリルートによる出願の場合、現地の言語によって書類を作成し、現地に直接出願します。出願時に日本語で出願できる国もありますが、出願から2か月以内に翻訳文の提出を求める国がほとんどです。翻訳文の提出後は、各国の法律に基づいて審査を受けることになります。

(3) パリルートのメリット

出願する国が、1~3カ国程度の場合、PCTルートによる出願よりもコストが抑えられると考えられています。また、国際段階の各種手続きを待たずに各国の審査を受けることができるので、PCTルートによる出願よりも早期に権利化できると考えられています。

2. PCT

 PCT(Patent Cooperation Treaty:特許協力条約)とは、複数の国に対する特許出願の手続きを簡素化し、出願人の負担を軽減するための条約です。PCTに従って一つの出願願書を提出することによって、PCTの加盟国の全ての国に同時に提出したことと同じ効果を得ることができます(PCTルート)。但し、特許として認められるかどうかは、最終的には各国特許庁の実体的な審査に委ねられています。

(1) PCTルートで出願できる国

国内出願を基礎とするPCT出願の場合、国内出願の出願日(優先日)を基準として手続きが進行します。
PCTの加盟国(2009年6月現在 141カ国)です。一方、PCTルートで出願できない国としては、台湾、タイ、アルゼンチン、ブルネイ、ボリビア、パナマ、ウルグアイ、モーリシャスなどがあります。
参考:PCT加盟国一覧表(特許庁HP)

(2) PCTルートによる出願の流れ

PCTルートによる出願の流れは、以下に示すフローチャートの通りです。


3. EPC

 EPC(European Patent Convention:ヨーロッパ特許条約)とは、特許に関する手続きを簡便かつ経済的にすべく、出願から特許付与までの手続きをEPO(European Patent Office:欧州特許庁)で一括して行うことを目的とする条約です。

出願人は、単一の手続き及び単一の審査によって、複数の締約国における特許を取得することができます。但し、特許権の効力及び有効性は締約国ごとに争われることになります。

EPCに基づく出願から特許付与までの手続きの流れは、以下のフローチャートに示す通りです。