◇ 実用新案のメリットとデメリット
特許ではなく、実用新案を取得するメリットは何でしょうか?
特許ではなく実用新案権を取得するメリットに、
1 特許に比べ早期に権利を取得できる点
2 特許に比べ権利取得にかかる費用が低い点
があります。
おおまかにいえば、
特許は 出願 → 実体審査 → 登録
という過程を経て権利取得になりますが、
実用新案は 出願 → 登録
という過程で権利を取得することができます。
つまり実用新案では実体審査が行われないため、権利取得に対する期間と費用をカットすることができます。
期間は約2~4ヵ月と早期の権利取得が可能であり、権利取得までに特許庁に収める金額は2~3万円程度(手数料除く)と、特許に比べて費用も抑えられます。
したがって、特許ほど高度ではない考案でも、とりあえず早期に権利を取得したい場合や、低コストで権利化を図りたい場合に有効です。さらに、事業化したものなど価値のある高度な考案については、その実用新案権に基づいて 改めて特許を取得することも可能です。
ただし、実用新案権制度には実体審査が無いので、その有効性について客観的な判断がなされていません。そのため、実用新案権を行使するには、当事者側でその権利の有効性を示さなくてはなりません。
具体的には特許庁に「実用新案技術評価書」を請求し、その考案の有効性を示す必要があります。その際に新規性や進歩性を満たしていなかった場合、権利の有効性について否定的な内容の評価書が発行される可能性があります。
2021年8月10日
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